テニスの元グリップを交換したいけれど、自分できれいに巻けるか不安だなと悩んでいませんか。テニスラケットの元グリップ交換は、やり方や巻き方のコツさえ掴めば、誰でも自宅で簡単にできる作業ですね。
今回は、古いグリップの剥がし方から、両面テープを使った綺麗な仕上げ方、そしてレザーなどの種類や太さの選び方まで、分かりやすくお伝えしていこうかなと思います。グリップテープの交換時期や料金の目安についても触れていくので、ぜひ参考にしてみてください。
- 元グリップの種類ごとの特徴と太さによる打球感の違い
- クッション性の低下が招くテニス肘のリスクと適切な交換時期
- 失敗しないための事前準備と古いグリップの剥がし方のコツ
- 利き手に合わせた正しい巻き方と重ね幅を均一に仕上げる手順
テニスの元グリップ交換の基礎知識
ここでは、元グリップ(リプレイスメントグリップ)の役割や種類、そしてなぜ定期的な交換が必要なのかといった基礎知識についてお伝えしますね。ラケットの基本性能を維持するための重要な部分なので、オーバーグリップとの違いや怪我のリスクについても一緒に確認していきましょう。
元グリップの種類とレザーの特徴

元グリップには、大きく分けてシンセティックレザー(人工素材)と天然皮革(レザー)の2種類があります。どちらを選ぶかによって、打球感やラケットの操作性がガラッと変わるんですよ。
現在市販されている多くのラケットに標準装備されているのがシンセティックレザーです。これはポリウレタン素材とスポンジ層の多層構造になっていて、非常にマイルドな打球感と高い衝撃吸収性が特徴です。身体への負担を減らしたい方には間違いなくこちらがおすすめですね。ただ、スポンジの厚みがある分、グリップの角(八角形)の感触が少し丸みを帯びてしまうという一面もあります。
一方で、天然の牛革などを使ったレザーグリップは、スポンジ層がないためクッション性は落ちますが、グリップの角がダイレクトに手のひらに伝わります。ボールの感覚を繊細に感じ取りたい上級者の方に根強い人気がありますね。ただし、レザーは少し重さがあるので、ラケットの重心(バランスポイント)が手元寄りに変化することには注意が必要です。
| 素材の分類 | 構造的特徴 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| シンセティックレザー | ポリウレタンと中間スポンジの多層構造 | 高い衝撃吸収性、マイルドな打球感、軽量 | 角の感触が鈍い、スポンジの圧縮による経年劣化 |
| 天然皮革(レザー) | 牛革等を用いた単一高密度構造 | 角の明確な認識、クリアな打球情報伝達、高耐久 | クッション性の欠如、重量増によるバランス変化 |
グリップの太さによる打球感の変化

元グリップを巻くときの力加減(張力)によって、完成したときのグリップの太さや硬さはかなり変わってきます。これも自分で交換する醍醐味の一つですね。
テープを強めに引っ張りながら巻くと、内部のスポンジ素材が引き伸ばされて薄くなるため、細くて硬めのグリップに仕上がります。反対に、引っ張る力を少し緩めにすると、素材の厚みがそのまま残るので、太くてふっくらとした柔らかいグリップになります。
太さ調整のポイント
自分の手の大きさや好みのフィーリングに合わせて、引っ張るテンションを調整してみましょう。ただし、緩すぎるとプレイ中にズレてしまう原因になるので、「たるまない程度に一定の力で引く」のがコツです。
適切な交換時期と交換頻度の目安

元グリップは、使っているうちに必ず劣化します。表面が綺麗に見えても、内部のスポンジはスイングの衝撃でどんどん潰れていってしまうんですね。
シンセティックレザーの場合、週末にプレイする一般的な頻度の方でも、使用開始から1年が経過した時点が交換の目安になります。フルスイングでボールを強く打つハードヒッターや、頻度の高い学生は半年程でスポンジがへたってしまうこともあります。天然皮革(レザー)の場合はスポンジのへたりはありませんが、汗による乾燥やひび割れが進むため、長くても2年が寿命の限界かなと思います。
ショップでの交換料金について
お店に交換を依頼すると、グリップ代に加えて数百円程度の工賃がかかるのが一般的です。自分で巻けるようになれば、その分の費用を新しいボールやガット代に回せますね。
グリップの劣化が招く怪我のリスク

劣化したグリップを使い続けるのは、実はとても危険なんです。内部のスポンジが潰れて衝撃吸収性が失われると、ボールを打ったときの強烈な振動が直接腕に伝わってしまいます。
これが蓄積すると、いわゆる「テニス肘(上腕骨外側上顆炎)」や手首の腱鞘炎といった深刻な怪我に繋がる可能性があります。また、グリップを細くしたいからといって元グリップを完全に剥がして芯材(パレット)むき出しのままプレイするのは絶対にNGです。衝撃がダイレクトに来るだけでなく、汗がラケット内部に浸透してラケット自体を腐食させてしまいます。
健康や安全に関するご注意
本記事で紹介している怪我のリスクや交換時期は、あくまで一般的な目安です。プレイ中に肘や手首に痛みを感じた場合は、無理をせずにテニスを休み、最終的な判断や治療は必ず整形外科などの専門家にご相談ください。
オーバーグリップとの役割の違い

よく混同されがちですが、元グリップと一番上に巻く「オーバーグリップ」は役割が全く違います。
元グリップが「衝撃吸収と土台作り」を担っているのに対し、オーバーグリップは「表面の摩擦(滑り止め)と汗のコントロール」が主な役割です。オーバーグリップには、手に吸い付くようなウェットタイプと、汗をかいてもサラサラ感が続くドライタイプがあります。
どれだけ高級なオーバーグリップを巻いても、下地の元グリップがへたっていては本来の性能は発揮できません。この2つは両輪として機能するものだと覚えておいてくださいね。
テニスの元グリップ交換の正しい手順
ここからは、実際に自分で行う交換の手順をステップごとに解説していきます。古いグリップの処理から、両面テープの扱い、そして綺麗に巻くためのちょっとしたテクニックまで、私が普段やっているコツを余すところなくお伝えしますね。
失敗しない交換のやり方と事前準備
まずは古い元グリップを綺麗に剥がすところからスタートです。何年も放置されていたグリップを剥がすと、内部の接着剤や劣化したスポンジがラケットの芯材にこびりついていることがあります。そのまま新しいものを巻くとデコボコになってしまうので、シール剥がしなどを使ってなるべく平らな状態に綺麗に掃除しておきましょう。
新しい元グリップを開封したら、表面の透明な保護フィルムを必ず全て剥がしてください。これを忘れると全く滑り止めが効かなくなってしまいます。そして、裏面の両面テープがついている側を下(ラケット側)に向けて巻く準備をします。
両面テープの確実な固定と注意点
巻き始めの最初の1周が、グリップ全体の安定感を決める最も重要なポイントです。
グリップエンド(一番下の膨らんでいる部分)の形に合わせて、テープの端を少し強めに引っ張りながら、ぐるっと1周させます。ここで土台をしっかり作っておかないと、スイングの遠心力や摩擦で、使っているうちにグリップ全体がどんどん上にズレていってしまうんです。両面テープがラケットにしっかり密着しているか確認しながら、慎重にスタートしましょう。
綺麗に仕上げる巻き方のテクニック

巻き進めていく上で綺麗に仕上げるコツは、大きく2つあります。
- 常に一定の力(テンション)で引っ張り続けること
- テープの重ね幅を「約5mm」で均一に保つこと
重なる部分の幅がバラバラだと、握ったときに予期せぬ段差ができてしまい、プレイ中の違和感やマメの原因になってしまいます。ラケットをゆっくり回しながら、斜めに一定のペースで巻き上げていってください。
上端まで巻き終わったら、余ったテープをハサミで斜めにカットし、付属のエンドテープでしっかりと留めれば完成です。
レザーグリップを美しく巻くための本格的な手順

レザーグリップ(天然皮革)の交換は、シンセティックレザーに比べて少し難易度が上がりますが、その分だけ仕上がったときの愛着とプレイ中のダイレクトな感覚は格別です。ここでは、より美しく、そして機能的に巻くための詳細なステップをお伝えしますね。
1. 必須の「下準備」で仕上がりに差をつける
レザーグリップを巻く前には、ラケット側とグリップ側の両方に丁寧な下準備が必要です。
- ラケット側の処理:古いグリップを剥がした後、ウレタンの芯材に両面テープがしっかり付くか確認します。もし付きが悪い場合は、300番くらいの耐水ペーパー(紙やすり)で表面を軽く削ってから洗って乾かすと、粘着力が復活します。
- グリップの削り出し:巻き始めの細くなっている三角部分の裏側(中央部)をカッターナイフで少し削り取り、平らにしておきます。これで土台への密着度がグッと上がります。
- プレストレッチ(事前引き伸ばし):巻く前に、グリップ全体をエキスパンダーを引くように力強く引っ張って伸ばしておきます。また、巻き始めの端の部分も指でしっかり伸ばしておくことで、グリップエンドの曲線に沿わせやすくなります。
2. まずは「空巻き」で理想の溝を作る
レザーグリップ特有の裏面にはあらかじめ粘着テープが付いていないことが多いので、いきなりテープで固定せず、まずはテープなしで最後まで巻いてみる「空巻き」を行うのがコツです。
重ね幅が生み出す「溝」の秘密
レザーグリップは、重ね幅によって表面にできる「溝」の深さが変わります。重ね幅を1mm程度にすると深い溝ができ、2.5mm程度だと浅い溝になります。この溝に人差し指の第二関節を沿わせるように握ることで、毎回手元を見なくても同じ面、同じバランスでラケットを握れるようになるんです。自分にぴったりの溝の深さを、この空巻きの段階で見つけておきましょう。
3. タッカー固定と本番の巻き上げ
理想の重ね幅が分かったら、いよいよ本番です。両面テープは厚手のものではなく、15mm幅程度の薄手のものを用意してくださいね。
巻き始めの部分は、千枚通しで穴を開けてからタッカー(ステープル)を金づちで打ち込んでしっかりと固定します。そこからは、常に強いテンションをかけながら、空巻きで確認した重ね幅を一定に保って巻き進めていきます。
両面テープは、一気に長く貼るのではなく、短いものを複数回に分けて剥がしながら巻いていくと、粘着部分に手が触れず綺麗に作業できますよ。
4. 巻き終わりの段差をなくす仕上げ
上端まで巻き終えたら、交差するポイントに印をつけて斜めにカットします。ここでの最後の一手間がプロの仕上がりを生みます。
カットした終わりの部分の裏側(出っ張る部分)を、再度カッターナイフで薄く削り取ります。こうすることで、最後のエンドテープで留めたときに段差ができず、スッと滑らかに収まります。
レザーグリップの色にはタン(茶色)とブラックがありますが、ブラックは色落ちしにくいという特徴があります。レザーの上にさらにオーバーグリップを巻く予定の方は、色移りしにくいブラックを選ぶのがおすすめかなと思います。
レザーグリップらしさのあるタン(茶色)はプロが多く使っている色です。色は好みで良いと思います。
利き手別の巻き方と方向の最適化

実は、グリップテープを巻く「螺旋の方向」は、利き手によって変えるべきだということをご存知ですか?
右利きの方は、グリップエンドを上に見たときにテープのラインが「右下がり」になるように巻くのが正解です。インパクトのときに手からかかる斜めの捻りに対して、テープの段差が引っかかってロックされるので、すっぽ抜けにくくなります。市販のラケットは最初からこの右利き用に巻かれています。
一方で左利きの方は、これと全く逆の「左下がり」に巻く必要があります。左利きの方が右利き用の巻き方のままプレイすると、摩擦の方向が逆になり、テープがめくれ上がりやすくなってしまいます。ご自身の利き手に合わせてカスタマイズできるのも、自分で交換する最大のメリットですね。
テニスの元グリップ交換のまとめ

ここまで、テニスの元グリップ交換の重要性や具体的な手順についてお伝えしてきました。
元グリップはただの持ち手ではなく、体への負担を減らし、ボールへ力を伝える大切なパーツです。目立った汚れがなくても、半年を目安に新しいものへ交換することで、テニス肘などのトラブルを予防し、快適なプレイを続けることができます。
最初は少し難しく感じるかもしれませんが、テンションの維持や5mmの重ね幅、そして利き手に合わせた巻き方の方向さえ意識すれば、必ず綺麗に巻けるようになります。ぜひこの記事を参考に、ご自身のラケットのテニスの元グリップ交換にチャレンジして、より充実したテニスライフを楽しんでくださいね!

コメント